極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
私、まだあの会社にいていいの?

てっきり追い出されるかと思っていたのに。

「もちろん、これは体が本調子になってからの話だ。俺個人としては、君さえ望まないなら働かなくてもいいと思っている。今後のお金や生活のことなら、俺がいるから心配しなくていい」

今、さらりと養う体で言われた気がするけれど。驚きに驚きが重なって、もう突っ込む気にもなれない。

「安静にしているのが一番だと思う。でも星奈が幸せじゃなきゃ意味がない」

ドクンと胸が震えた。

身の丈にあった生き方をしなければ――そんな自身を押し殺すような考え方が、いつの間にか枷になり私の心をがんじがらめにしていた。

「星奈には、夢があるんだよな?」

念を押すように尋ねられ、じんと目の奥が痛む。

子どもの頃は、普通に生きられたらそれでよかった。

けれどある程度体の自由が利くようになって、欲をかいた私が見た夢は『難病で苦しむ患者を救いたい』――それが今の夢。生きる目標。

「これまでのように直接的ではないかもしれないけれど、書類仕事だって充分社会貢献にはなる。君さえよければ仕事を受けてみないか?」

「翔琉さん……」

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