極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
足を止め尋ねると、女性はつまらなそうな顔をして、気だるく息をついた。その表情も初めて見るものだ。

「気づいちゃうんですね、すごーい。こんなにそっくりにしたのに。それとも、星奈から聞いてました? 双子の妹がいるって」

「妹がいるとは聞いていたが……君が星奈の?」

「初めまして。月乃です」

彼女が手を差し出してくる。艶っぽい身のこなしで首を傾げ、こちらを見上げてにっこりと微笑んだ。

「祇堂翔琉です。お姉さんとお付き合いさせてもらっています」

仕事のときと同じように、彼女の手を軽く握り返す。すると彼女はその手を両手で握り込み、するりと懐に入ってきた。

「素敵な方だと聞いて、お会いできるのを楽しみにしてたんです。今日は星奈に追い返されちゃったんだけど、最後にお会いできてよかった」

擦り寄ってくるような仕草は自信に満ちていて、表情からは狡猾さが透けてみえる。姉と外見はそっくりでも性格はずいぶん違うようだ。

「それは失礼。私が留守だったもので、星奈は気を遣ったのでしょう」

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