極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「ねえ。星奈が元気になったら、中庭に連れていってもいい?」

「体調のいい日なら、三十分だけ出てもいいよ。翔琉が車椅子を押してあげるといい」

「じゃあ、星は見に行ける?」

「夜の外出か。難しいが……夕方、屋上に出るくらいならできるだろう」



それからすぐに夏休みがやってきた。頻繁に見舞いに足を運んでは、彼女の夢をひとつずつ叶えていった。

最初は車椅子で。慣れてくると手を繋いで病院中を歩き回るようになった。

彼女はよくはしゃぎすぎて熱を出していたけれど、楽しいと思ってもらえるなら無茶をするかいもあるだろう。

熱は数日ですぐに下がるわけだし、思い出を作る方が優先だと俺は思った。

星を見に屋上へ出て、夜風に当たった瞬間こんこんと咳を出されたときはさすがに反省したのだが。

「ねえ、伯父さん。俺って星奈に会いに行かない方がいいのかな」

苦しそうにしている彼女を見て、伯父に尋ねたことがある。

「それは難しい問題だな。君と遊んでメリットもあるし、デメリットもある」

「熱を出すたびに星奈は苦しんでいるんだろ?」

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