極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「だが熱の下がるスピードが速くなってきている。これはすごい発見だよ、翔琉」

伯父が珍しく興奮した声をあげる。

「気持ちを上向きにすることで、免疫系の異常に改善がみられるのかもしれない。実際、笑うと免疫力がアップするなんて研究結果もあるくらいだ」

「それって大発見?」

「ああ。薬を作る手がかりになるかもしれない」

俺は心の中でガッツポーズを決める。治療の手助けができた。俺は医者ではないけれど、自分なりに彼女を救えるかもしれない。

夏休みが明けたあとも、時間があれば彼女の見舞いに向かった。

『伏見教授の甥っ子さん』は看護師の間でも有名になり、スタッフステーションの前を通ると「こんにちは、翔琉くん」と声をかけてもらえるようになった。たまにおやつをくれたりもした。

病室をノックすると、彼女が笑顔で顔を上げる。

「カケルくん!」

一緒にお話ししたり、ゲームをしたり、図鑑を眺めたり。

入院はしばらく続くようだが、顔色や表情は見違えるほどよくなっていった。


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