極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
頬をつうっと流れていく涙を、彼は指先で受け止める。拭ったまま手を滑らせ、耳のうしろに触れると、引き寄せるようにキスをくれた。

柔らかな感触と温もりが混じり合って、心が蕩けていく。

今日はこのまま離れたくない。

もう片方の手を伸ばし指を絡める。指の間に彼の体温を感じて、どうしようもなく愛おしくなる。

「星奈。愛してる」

「私も。翔琉さんが好き。愛してる」

きっとあなたの何倍も何倍も好きなのに、うまく伝えられないのがもどかしい。

やるせなさを抱えたまま、彼の手をぎゅっと握り込み、甘い唇の愛撫に応える。

唇を重ねて、離して、また重ねて、そうやって繰り返すうちに体の力が抜けていって、いつの間にかベッドに押しつけられていた。

「翔琉、さん……?」

それでもやまないキスは、まるでこの先を欲しているかのよう。でもこれ以上先に進めないことはお互いよく理解している。

「星奈。もう少しこのままで。愛おしくてたまらないんだ」

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