極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
広々とした部屋にデスクが八つ。それぞれのデスクを囲むようにパーテーションが立てられ、個人の空間が割り当てられている。
社長室にはこれだけの人数しかいないのだろうか。まさに少数精鋭といった印象だ。
だが余計に、なぜ自分が招かれたのか不思議になる。
「祇堂さ――社長。なぜ広報だった私を社長室に……」
おずおず尋ねると、反応したのは隣にいた男性の方だった。ぴくりと眉を跳ね上げ、祇堂さんに厳しい目を向ける。
「まさか社長、内示を出さなかったんですか」
確かに、そんなものはなかったなあと祇堂さんを見つめる。
「十二階から十九階へ移動するだけだから、たいして困ることもないだろう?」
「いや、困るでしょう! 業務の引継ぎとか――」
「彼女、日頃から業務内容をマニュアル化しているそうだから大丈夫。そういうところも優秀だろう?」
なぜか誇らしげに説明する祇堂さん。
そうするに至った経緯は、私がいつ倒れるかわからない体をしているからなのだけれど。
もちろんそんなことを会社に言えるわけもなく秘密にしている……。
社長室にはこれだけの人数しかいないのだろうか。まさに少数精鋭といった印象だ。
だが余計に、なぜ自分が招かれたのか不思議になる。
「祇堂さ――社長。なぜ広報だった私を社長室に……」
おずおず尋ねると、反応したのは隣にいた男性の方だった。ぴくりと眉を跳ね上げ、祇堂さんに厳しい目を向ける。
「まさか社長、内示を出さなかったんですか」
確かに、そんなものはなかったなあと祇堂さんを見つめる。
「十二階から十九階へ移動するだけだから、たいして困ることもないだろう?」
「いや、困るでしょう! 業務の引継ぎとか――」
「彼女、日頃から業務内容をマニュアル化しているそうだから大丈夫。そういうところも優秀だろう?」
なぜか誇らしげに説明する祇堂さん。
そうするに至った経緯は、私がいつ倒れるかわからない体をしているからなのだけれど。
もちろんそんなことを会社に言えるわけもなく秘密にしている……。