極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
足もとの段ボールは眼鏡の男性が「デスクに運んでおきます」と預かってくれた。一礼して祇堂さんを追いかける。

彼は部屋の奥にあるドアを開けて待っていてくれた。

ドアは隣の社長執務室に繋がっていて、中は広々とした空間に立派な執務卓、来客用のソファとローテーブルが配置されている。

「今日からここで働くことになる。俺も、君も」

そう言って執務卓にもたれる祇堂さんは、不思議ともう大企業を背負う風格を漂わせていた。

「俺はまだ三十一歳だし、早期の就任に納得しない役員も多い。足を引っ張ろうとする人間や、裏切り者も出てくるだろう。だから、信頼のおけるメンバーを集めて社長室を立ち上げた」

祇堂さんの視線が隣の部屋に向かう。

あの中にいるのは、祇堂さんが確実に信頼できると思った人たちだけなんだ……。

そこに自分が含まれるているのが、不思議であり誇らしくもあり、すっと背筋が伸びた。

「君には俺の秘書になってほしい」

「秘書、ですか……?」

「ああ。だが、普通の秘書で収まってほしくない。俺の頭脳となりアドバイスをくれるような、頼もしい相棒だ」

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