極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～

まずは浴室で髪と体を洗い流す。

備え付けられているソープやエステ用のスクラブは、高級ブランドを使用していて、かわいくてゴージャスなパッケージにきゅんとした。香りもエレガントで気分が上がる。

こうした日用品にお金をかける発想はあまりなかったけれど、ちょっぴりこだわってみるとバスタイムが優雅で心地よいものになるかもしれない。

自宅で使っているソープといえば、薬局で安売りしているものばかり。家に帰ったら奮発していいボディーソープを買ってみようかな、なんて思った。

そんな新しい発見だらけの旅行が、もう半分終わってしまう。

残りあとわずか、それでもわくわくが止まらないのは、喜びを分かち合える人が隣にいるからだ。

祇堂さんと、もっとずっと一緒にいたい。ふたりなら、幸せが何倍にも膨れ上がる。

「もしもお付き合いしようって言われたら……」

体についた泡を洗い流しながら、ぽつりと言葉を漏らす。

キスをして、それ以上のこともするかもしれない。たぶん、それが普通。

初めてで怖いけれど、祇堂さんとなら……。

そんなことを考えながら露天風呂へと繋がるドアを開けたところで、はたっと止まる。