絶交ゲーム
☆☆☆

待ちに待った放課後、私と詩子はまず駅前のカラオケに来ていた。
ここは軽食の種類が豊富で美味しいことで有名で、学生たちがこぞって利用している。

店内には私達と同じ様に制服姿の男女が多かった。
最初に詩子が最近流行りの女性アイドルのアップテンポな曲を歌って場を盛り上げてくれた。

上手とか下手とかは関係ない。
楽しければそれでいいのが友人同士のカラオケだ。

私達はしばらくの間時間も忘れて楽しんだ。
その間にソフトクリームとかピザが運ばれてきてずっとつまんでいたから、カラオケを出る頃にはふたりともお腹がいっぱいになっていた。

外に出た時、周囲はオレンジ色に包まれていた。
夕日ももうすぐ沈んでしまいそうだったけれど、このまま帰るのはまだ早い。

電子マネーはまだまだ残っているし、買い物はできていない。


「今日はしっかり歌ったよねぇ」


詩子が満足そうに両手を点に突き上げて伸びをする。
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