絶交ゲーム
歌い疲れたのかその顔は眠たそうだ。


「楽しかったね! 次はどこに行く?」


その問いかけに詩子が驚いたようにこちらを見た。


「まだ、どこかに行くの?」

「だって、まだ明るい時間だし電子マネーだって沢山残ってるよ?」


カラオケでどれだけ飲食したってたかが知れている。
こんなの、使った内に入らなかった。


「そんなに一気に使っていいの?」


詩子の目が泳いでいる。
もしかしたら私に申し訳なさを感じているのかもしれない。

ゲームをダウンロードしたのも、中心になって動いているのも私だからだろう。
だけど、詩子がいなければ『絶交ゲーム』をダウンロードすることはなかったし、ここまで順調に進むこともなかった。
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