絶交ゲーム
「私も。今朝なんてカラオケのせいで喉がガラガラだったんだよ」


そう言って笑いあった。
チョコレートで疲れた頭をリラックスさせていると、ふと勉強机の上に出しっぱなしになっているクラス写真が目に入った。

3年生に上がってすぐに撮影されたもので、この頃はまだみんな仲が良かった。
ギスギスしていないクラス写真を手にして、テーブルへ戻る。


「詩子、次のターゲットを決めない?」


電子マネーはまだ10万円ほど残っている。
慌ててゲームを再開する必要はないけれど、次を決めておくくらいならいいだろう。


「え、あぁ……そうだね」


詩子は一瞬浮かない表情を浮かべたものの、すぐに身を乗り出してクラス写真へ視線を向けた。


「この中で一番高額そうなのって、やっぱりこの二人かな?」


私は写真の前列右端に写っている難波浩二と、2列目の中央に写っている大鳥豊を指差した。
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