絶交ゲーム
詩子の目がまた輝き出す。
こういうことを考えることが好きなのかもしれない。


「友だちが友だちじゃなくなる瞬間ってある?」


聞かれて私は過去の記憶を呼び起こした。
一番最初に思い出したのは小学校低学年の頃の思い出だ。


『雛ちゃんのこと嫌いだから』


ある日突然友だちからそう告げられた。
なにもした覚えのない私は混乱したし、とても悲しかった。

その友だちは1日私を無視して他の子と遊んで、それで翌日にはケロッとした顔で私に話し掛けてきたのだ。
そして今度は『○○ちゃんのこと嫌いだから』と、他の子へ告げた。

友だちは○○ちゃんを無視して、私とばかり遊んでいた。
あれはきっと友だちなりの遊びだったんだろう。

誰かの悪口を言ってのけものにして、その相手は誰でも良かったのだ。
ただ自分が楽しければそれでいい。

そんな遊び。
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