絶交ゲーム
あとは株価や国会中継。
どこの家でもそんなものだと思っていたけれど、詩子の家とは随分違うみたいだ。

そういえば私は父親がスポーツ観戦をしている姿は1度も見たことがないかもしれない。
私の父親は常に眉間にシワを寄せて難しい顔ばかりしている。

やがてサッカー部の練習が始まった。
最初はボールを転がす程度で、次に練習試合を行う。

その時にはファンの姿は最初の倍くらいに増えていた。
みんなが熱狂的に声をかけて応援するのを私と詩子は邪魔にならない場所から見ていた。

浩二と豊のふたりは息もピッタリで、どちらかが出したパスを必ずどちらかが受けてシュートを放つ。
そのボールは魔法みたいに相手チームのゴールに吸い込まれていった。


「さすがにうまいね」


プロとして声がかかるかもしれないと言われているだけの実力はあるみたいだ。
こうして間近で観戦しているだけでも手に汗を握ってしまう。
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