絶交ゲーム
弥生たちが始めたゲームを見て詩子が呟く。


「女がらみだから、仕方ないよね」


そう答えたときだった。
不意に昨日録音した音声が脳裏に蘇ってきた。


『浩二!』


豊が浩二を呼ぶ声だけが鮮明に録音されていたこと。
それ以外は使い物にならない録音。

そして私はまた「おにさんこちら」に視線を向けた。
手を叩けばそちらを向く。
音がすればそちらへ向かう。

じゃあ、名前を呼ばれたら?
きっと、ただの音よりももっと反応は敏感になる。


「詩子」

「え、なに?」


急に真剣な表情になった私に詩子はまばたきを繰り返す。
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