絶交ゲーム
豊には昨日の内に連絡が行っていて、眠れなかったのかもしれない。


「私浩二くんのファンだったんだよね。だから今回の事故のことが本当に許せないの」


悔しさを演出するために下唇を噛みしめる。
グッと目の奥に力を込めて涙まで浮かべて見せた。

それを見た豊が少し瞳を揺らす。


「浩二は……点滅信号で横断歩道を渡ってたんだ。だから事故に遭った」


それはさっき担任に聞いた話とまるで同じだ。
こうして話しかけているんだから、それ以外の情報がほしいに決まってるだろ。

内心で豊を罵りりながらも、私はハンカチで涙を拭った。


「浩二くんには会ったの?」

「うん、昨日病院へ行った」

「様子はどうだった?」

「それは……」


豊は口ごもり、そしてうつむいた。
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