絶交ゲーム
だけど仁王立ちの学年主任は沢山の生徒たちを相手にしてきているためか、ひるむことはなかった。


「それなら反省文を書きなさい。それにこれはイジメではなく立派な暴行罪です。あなたたちの内申点にひびくことはまちがいなです」


4人がざわめいた。
進学組の4人からすればそれは大きな痛手になるんだろう。

でも私にはそれすら関係がなかった。
絶交ゲームで人生の成功者になる。

そう信じて疑わなかった。


「それならそれでいいです。でも言っておきますけど先生……」


私は一歩前に出て結を見た。
結は射すくめられたように固くなる。


「結だって結構いい性格をしてる生徒ですよ?」


私はそう言いクスッと笑ってみせたのだった。
裏のない生徒なんていない。

結は今は被害者なだけだ。
学年主任がまだなにか言いたそうにしているのを無視して、私は教室を出たのだった。
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