絶交ゲーム
☆☆☆

もしかして雛は浩二のことが好きだったんだろうか。
だからあんなに怒ってるのかな。

だとしたら、両足を切断したのが豊なら、怒らなかったとか?
どれだけ考えてみても私には雛が怒っている原因がわからなかった。

道徳とか、常識とか、そんなものはとっくの前に失っていた。
あるのは目の前のゲームと、取得できるポイントだけ。


「あれぇ? 今日は1人じゃん」


声をかけられて振り向くとそこにいたのは玲香だった。
玲香は最近更にひどい見た目になっていて、顔も洗わず歯も磨かずに登校してきているみたいだ。


そのため近くで話されると匂いがする。


「なに?」


私はしかめっ面をして玲香を見つめる。
玲香がこんな風に話しかけてくることなんてなかったはずだ。


「知ってる? 詩子は最近雛の悪口を言いふらしてるよ」

「え?」


視線が詩子を探す。
< 283 / 290 >

この作品をシェア

pagetop