絶交ゲーム
詩子は今日も私以外の生徒と仲良くおしゃべりをしている。


「いいの? このままほっといて」


玲香のねばつくような笑みが気になったけれど、詩子をほっとくわけにはいかない。
ここまでゲームを続けて来られたのは、詩子の存在も大きい。

できればまた、一緒にゲームをしたかった。


「ちょっと、詩子と話をしてくる」


私はそう言って自分の席を立つ。
詩子に近づいていくと、なぜか警戒したように後ずさりをされた。

もしかして今私の悪口を言っていたんだろうか。
聞かれちゃまずいから、離れた?


「どうして逃げるの?」

「別に……」


詩子は視線をそらす。
明らかになにかを隠したい様子だ。


「もしかして私の悪口でも言ってた?」

「なに言ってるの?」


詩子は驚いた顔をしているけれど、私は騙されない。
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