絶交ゲーム
更に詩子に促されて画面を確認してみると、そこには1ポイント1円で好きな電子マネーに交換できる。
と、書かれているのだ。
これはには私も目を見張った。


「10万円分の電子マネーになるってこと?」

「たぶん、そうだよね?」


私はまた詩子と視線を合わせた。
これが本当だったら好きなだけ買い物ができることになる。

受験生になってからアルバイトをやめて、月5千円のお小遣いだけでは欲しい物が買えずにいたのだ。
でも10万円分の電子マネーが入ってくれば環境が大幅に変わる。

好きなものを、好きなだけ買うことができるんだ!
つい、期待が膨らんでいってしまうので私は呼吸を整えた。

ポイントについては嘘だと思っていた方がいい。
期待しちゃいけない。

私は自分にそう言い聞かせたのだった。
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