オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
プロローグ


『オメガバース』という言葉を知っているだろうか。


『アルファ』は生まれたときからエリートで容姿も完璧。死ぬまで何不自由なく生活することができる。
例を挙げるとするなら社長令嬢や御曹司、弁護士など。

ほんの一部だけが『アルファ』として生まれ、『アルファ』の人は将来を約束されたも同然である。

『ベータ』は平均値。ほとんどの人はこの『ベータ』タイプ。


そして最底辺と呼ばれ、世界から差別されているのが『オメガ』だ。まともな職に就くことはおろか、学校生活すら普通に過ごすのは難しいだろう。


『オメガ』は不定期に起こる発情期に耐えつつ自分の身を守らなければならない。何故なら、発情期中は自身のフェロモンを撒き散らすため、異性が寄ってきて本能のままに襲われるからだ。

抵抗すらできない『オメガ』が逃げる方法は2つ。発情期が来る前に抑制剤を飲むこと。だが、これは一時的にしか過ぎない。


もう1つは、世界のどこかにいる【運命の(つがい)】を見つけること。

2人はお互いに知っているのだ。惹かれ合う運命だということを。出会ってしまったが最後、離れることは決してないだろう。
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