オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「俺、九条さんの手助けをしてあげられるかもしれません」

「手助け?」


「発情期を抑える相手、といいますか。九条さんの体調不良の原因はもしかしたら俺かもしれないので」

「そ、そんなこと……」

ないです。と、はっきり言葉が出なかったあたり私にも心当たりがあるからだ。


漣さんを見ると胸の奥がドキドキして、発情期も普段よりもひどくて。無性に、本能的に漣さんを求めている気がする。けれど、それはいつも一緒にいるから、常に行動を共にする異性は漣さんだけだからと自分に嘘をつき続けて、はぐらかしてきた。


「俺も九条さんを見ていたらドキドキするんです。だから、九条さんとお揃いですね」

ふふ、と漣さんは口元に手を当てながら笑う。

お揃い。だなんて、そんな可愛い言葉で済ませられるものなの?


私の発情期は誰構わず誘惑をし、結果、好きでもない人に、愛でもない、醜いものを注がれる。けれど、女の身体として多少は喜んでいる。嫌でも、感じてしまう、それが人間の本能。

そんな汚れた私と漣さんがお揃い?
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