オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「九条さん。脱ぐのは恥ずかしいですか?」

「は、はずかしいです」


「それなら、俺が脱がせてあげますね」

「ちょ……」


心臓がバクバクしてる私なんてお構いなしに、漣さんは私のブラのホックをとる。

漣さん、本当に女性と付き合ったことないの?って驚くくらい。童貞って言ってたけど、そのわりに手慣れてるような……?って、駄目駄目。


私だって、ケモノたちに襲われて処女じゃないんだから。過去のことを詮索するのは野暮よ。


「九条さん。今、他のこと考えてた?」

「え?」


「なんだろ……せっかくだから当ててあげましょうか?俺があまりにも手慣れすぎて童貞かどうか疑ってる、とか?」

「うっ」

なんで漣さんには私の考えてることがわかるんだろう。エスパー?それともなにか魔法の類?

おかしいな。オメガにはそんな能力はなかったはず。もしかして私が勉強不足で知らないだけ?


「多分、今も頭の中で色々考えてるとは思うけど。どれも外れだと思うよ。仕事病っていうのもあるけど、一番は……」

「一番は?」


「九条さんのことが好きだから」

「っ……」


「出会ってからずっと九条さんを見てきた。もう俺に九条さんのわからないことなんてないよ」

「そんなこと……っ」


「あるよ。げんに九条さんの弱いところ、俺全部わかるから」

「んっ……」

思わず声が漏れる。
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