オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「死のう……」

そう思うくらいには私の心は限界だった。


好きな人のためにと残してきた処女は私のことを愛していないケモノたちにあっという間に奪われた。
女が外で暮らせば、どういうことになるかくらい32歳の私ならわかる。

30過ぎても未だにイケメン王子様と出会えるんじゃないかって夢見てた時代が懐かしい。


私はビルの屋上に不法侵入をした。以前、私が働いていた市役所だ。

警察に捕まるかもしれない? その前に飛び降りるからその心配はしていない。


クビを宣告した上司に見つかれば多少なりとも復讐ができるかもしれない。私の死体を見て驚く反応が今から楽しみね。

だけど今死んだところでアルファである私はどんな待遇を受けるんだろう?
上司には「お前誰」状態かもしれない。


死体が見つかったところで、埋葬なんかしてもらえない。燃やされて、そこらへんの川に捨てられるのがオチだ。

燃やされるなら、まだマシなほう。そのまま山に捨てられ、野犬のエサが今の私にはちょうどいいだろう。死んだあとのことなんてどうだっていいけど。
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