オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「駄目です!」

「!?」

飛び降りようとした瞬間、グンっ! と反対方向に力が入った。私はそのまま引き寄せられ、死ぬことができなかった。


「な、にするの!? 離してよ!」

「嫌です。今この手を離したら貴女は死んでしまうでしょう!?」


「それがなんだっていうの? アナタには関係ないでしょ!」

「関係あります! 俺はオメガだから。貴女の気持ちが痛いほどわかるんです」


「っ……」

名前も知らない男性に抱きしめられた。

あたたかい。久しぶりの感覚。


優しくされるのは何年ぶりだろう? こんな私にまだ優しくしてくれる人がいたなんて。

オメガってことは今の私と同じように迫害を受けていたってこと?


それに、鼻をくすぐるような甘い匂い……。
一体なんなの?
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