いつかまた会えたなら
若い二人の恋
大好きだよ、と男が言う。
私もだよ、と彼女が言う。
それは当たり前のことでいつものこと。
でも、二人にとっては大切なことで、とても、とても大切な時間だった。

しかし、若い二人には別れが訪れた。

ごめん、他に好きな人が出来たから。

彼女はそう言った。

しかし、男はいつまでも彼女のことが好きだった。跡をつけるようなストーカーまがいのことはしない、連絡もしない。身と心を寄せ合った記憶を辿って涙を流すことはあっても、不用意に彼女に近づくことはしなかった。
< 1 / 57 >

この作品をシェア

pagetop