ギター弾きの天使とデュエットを 両想いのその後 甘々番外編
 そうして十分その感触を楽しんだあと、ジャンがチャコの額に口づけを落としたのを合図にそっと身体を離した。

 ゆっくりと顔を上げてジャンを見てみれば、なぜかニヤニヤとしている。何か企んでいる顔だ。


「チャコ、俺につかまってろ」


 言われた通りジャンにつかまると、ジャンはチャコを連れたまま、器用に水の中を泳いでいく。


「あはは! 楽しいこれ!」


 随分と贅沢なアトラクションだった。



 そうして気づけばプールに入ってもう二時間が経過していた。


「そろそろあがるか」


 ジャンの言葉に頷き、二人はプールを出ると、各々シャワーを浴びてから夕食を済ませた。そして、二人は今、身を寄せ合うようにして同じベッドに横たわっている。


「チャコ、満足した?」
「うん! すっごい楽しかった!」
「ははっ。それならよかった。俺、チャコがそうやって笑ってるのすげー好き」


 真っ直ぐ伝えてくれるのがとても嬉しい。言葉を取り戻した彼は今までを埋めるかのように、チャコに愛の言葉を囁いてくれる。


「ジャン……あのね、本当にすごく楽しかったし、嬉しかった。ありがとう。私もジャンが大好きだよ?」
「うん。はあー、今日は幸せな夢見れそうだな」


 ジャンの言う通り、チャコはその日とてもとても幸せな夢を見た。でも、それは現実と変わらなくて、ただただジャンに愛されているそんな夢だった。
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