ギター弾きの天使とデュエットを 両想いのその後 甘々番外編
「千夜子。俺はもっとお前と触れ合いたい」
「……うん」
「でも、お互い初めての相手で不慣れだし、千夜子はどうしても恥ずかしいが上回っちゃうだろ?」


 ジャンの言う通りだ。ジャンの空気が甘くなると、チャコはすぐに恥ずかしくなって、いっぱいいっぱいになってしまう。


「だから、触れ合う練習をしようか」
「練習?」
「そう。少しずつ触れられる範囲を増やしていく。甘い雰囲気にも慣れさせる」


 すでにいっぱいいっぱいなのにそんなことできるのだろうか。これ以上の接触が起きれば、もっと耐えられなくなるのではないかと心配になる。


「そんな難しく考えなくても大丈夫だから。少しずつ俺に心と身体を預けられるようになってほしい」
「……うん」
「そんな緊張するな。それだとまた恥ずかしいほうが大きくなるだろ?」


 チャコは練習とやらを想像して、すでにガチガチになっている。意識的に解すこともできない。


「うん……だけど……」
「自分の気持ちに素直になればいいだけだから。千夜子はそういうの得意だろ?」
「うん?」


 得意だろと言われてもさっぱりわからなかった。

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