darkness


その時、


陸の背中

絵里たちの怒った表情

周りの視線



全てを感じながら

私はまるで何かの映像を客観的に見ているような気持ちになった。






母が死んだ時と同じ

放心状態に近い感覚。








私の中で何かが小さな音を立てて、プツリと切れたんだ。






私は導かれるように


何かを求めるように



教室を出た。





「お……おい、あさ美!?」





後ろから陸の声が聞こえたけれど

私の身体はとにかく迷路の出口を探していて





屋上へ向かっていた。







私は思う。

この暗闇に終わりなどないんだ、と。





< 140 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop