darkness

落ちる




扉を開けると、痛いほどに空は晴れていた。


いっそ雨でも降ってくれていた方が涙を流しやすかったかもしれないのに。少しは私の心も楽になったかもしれないのに。







私は迷わず屋上の端に立ち、下を見下ろした。





私の思考が“見つけた”
と小さく叫ぶ。




出口だ………


出口を見つけた








後ろから追いかけてきた陸が驚いた様子で声をあげた。

「あさ美!!!何してんだ!!」






振り返って彼を見た時、

何よりもいとおしく申し訳ない気持ちで


こめかみから目にかけて
カッと熱くなる。




ごめんね…

必死になって私を守ってくれたのに。



でもね、


私、お母さんの元へ行きたいの。

もう一人は嫌。

寂しさに疲れたよ。





< 141 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop