可愛いわたしの幼なじみ〜再会した彼は、見た目に反して一途で甘い〜

第2話

○放課後、高校の友人と別れた後、帰宅途中(夕暮れ時)

「よぉ」
後ろからの突然の声に、驚いて振り返る実里。

この間ヤンキーカップルから実里を助けてくれた不良風派手な男子が立っている。

実里 さぁーっと血の気が引いていく。
実里(この前のっ・・・!
   最悪だ、また会うなんて・・・。
   どうしよう・・・。あっそうか、この前ちゃんとお礼も言わず帰ったから
   報復にきたのかも。どうしよう、こ、殺される・・・)
一瞬の間に最悪の想像をする実里。
実里「あっ、あの、この間は助けてくださりありがとうございました」
震える声でなんとかそれだけ伝える。
実里「そ、それじゃあ失礼します・・・」
くるりときびすを返し、その場を去ろうとする実里。



男子高校生「久しぶり、みーちゃん」

一瞬、時が止まったみたいだった。

実里(・・・え?)

一瞬ののち、振り返る。

一樹「俺、一樹。ガキの頃よく遊んだだろ」
  「・・・それとも、・・・忘れちゃった?」
  わずかに見せる切ない表情。

実里:恐る恐る相手を見る。
   改めてちゃんと風貌、外見を確認する。

実里(背はすらっと高く、テレビや雑誌で見てなんとか知っていたアッシュグレーと言うらしい髪色・・・。
   それに、長めの前髪の隙間から見える瞳はやはり切れ長で、整った目鼻立ちをしている。
   タトゥーや髪色は派手だけど、なるほどこれがイケメンというやつか・・・。
   余計な装飾をしなくても素材がいい。。
   見れば見るほど私には縁遠い人種だけど・・・)

はじめて相対する「イケメン」と言う人種(男子)に恐れおののく実里。
 
実里(でも――。
   私のことを「みーちゃん」と呼ぶのは、この世界でたった一人――・・・)


実里「うそ・・・、いっくん?」
一樹「そうだよ」
そう言って心底うれしそうに目を細めふにゃっとした笑う。
その笑顔は、実里が大好きだったあの頃のいっくんそのものだった。
一瞬で記憶の中の幼い彼とつながる。
しかし突然の出来事で気持ちは追いついていかない。

一樹「みさと、会いたかった」
「みさと」と彼は呼んだ。幼い頃とは違う、少しざらついた一樹の中低音の声に、心臓がトクンと音をたてる。

一樹 実里の体をそっと自分の方に引き寄せ、頭に静かにキスをする。
ほとんど抱きしめられているような形になる。
体格差があるので実里が一樹につつみこまれる格好に。

実里「ちょっ、ちょっと待って!!」
心臓バクバク、顔もあり得ないほど真っ赤で、ほとんどパニック状態の実里。

何が起こったのか理解できなかったが、数秒後に慌てて一樹の体を押しやる。
一樹 実里の慌てぶりと、その表情を見て、笑みがこぼれる。
一樹「ふ、・・・みさと、かわいい」
そう言って冒頭の登場シーンから想像もできない満面の笑顔になる。


実里「ご、ごめん、無理・・・」
脳内の処理が限界に達した実里は、ぽつりとそれだけ言い残しその場を後にする。

一樹「あっ、
   待てよ、みさと・・・!」
実里 一樹が自分を引き留める声に気づいていたが、わざと聞こえないふりをした。
「みさと」と呼んだ彼の声が耳に焼き付いて離れない。
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