可愛いわたしの幼なじみ〜再会した彼は、見た目に反して一途で甘い〜

第5話

○実里の高校の最寄り駅、駅前ロータリー(放課後、辺りはまだ明るい)

*回想(前話の続き)
一樹「そうだ。明日の放課後ひま?俺、実里の高校まで迎えに行くからさ、
どっか遊びに行こうぜ」

そして現在――・・・。

実里(あんな見た目のいっくんがうちの高校に来たら目立ってしょうがないよ・・・。
   それに、心臓に悪いし。
   ・・・だから待ち合わせ場所を変えてもらったんだよね)

実里(駅前なら、うちの高校の生徒もまばらだし、人も多いからそんなに目立たないし)
 (それにしても、私の高校と、いっくんが通ってる高校がこんなに近かったなんて、知らなかったな)
  
お互いの高校の最寄り駅が同じだった。二人とも電車通学。
実里(でも、○○高校って素行の悪い生徒が多いって有名だよね・・・。

   ううん、気にしないでおこう)

5分ほど経ち、
実里(いっくん遅いなー)
  (夕方4時の待ち合わせだったけど・・・。10分すぎてる)
   一樹が実里の高校に現れた日、あの後一樹に言われるがまま連絡先を交換したが、
   (連絡は、来てない)
きょろきょろと辺りを見回す実里。

実里「・・・あっ!いっ、」
一樹を見つけ、声を掛けかけようとしてやめる。

一樹 一樹も人混みから美里を見つけようとしている様子。
   一樹の隣は茶髪で髪をおしゃれに巻いたきれいな年上のように見える女の人がいた。

実里(なんてお似合いなふたりだろう)
  (私なんかよりよっぽど一緒にいることが自然)

思わず遠目から二人をぼーっと見つめてしまう。
 
実里 胸がチクッと痛む。
   胸をさすりながら
実里(あれ・・・、今ここのあたりがチクッとしたような)
   だけどこの痛みがなんなのかわからない。

一樹 実里を見つけて駆け寄ってくる。
   先ほどまで一緒にいた女の人はいつの間にかいなくなっている。
  「悪い、ちょっとつかまっちゃって」

  「みさと?」
何も言わない実里の顔をのぞき込む一樹。

ぱっと咄嗟に笑顔を作る実里。
実里「あっ、ごめんなんでもない!
   どこにいく?」

  (今の誰?とか私に聞く資格ないよ、
   いっくんの彼女でもないんだし)
   と、自分の中にわきおごってきた恋する女の子みたいな感情に戸惑いを覚える。

  (って、何思ってんだろう、私に恋愛なんて無理なのに。
  可愛くて明るい女の子の特権だよね、
  ましてやこんなにかっこよくなっちゃったいっくんだし・・・)
 (昔よく遊んだ子が懐かしくなって声をかけてくれただけだろうし
  いっくんにはよくあることかもしれない)

一樹「みさとはどこか行きたいところある?
   俺、みさとがよく行くところ知りたい」

実里「えっと・・・。
  休みの日とかは本屋さん行くこととか多いかも。
  あっ、、でもいっくん退屈だよね!?」
一樹「そんなことない。
   行こ。俺も最近行ってなかったし」
実里「そっ、そっか、よかった」
  「ほっ」と安心した表情になる。

二人ぎこちない距離感で歩く。

実里(・・・何しゃべればいいんだろう。・・・うぅ、正解がわからない)
  (いっくんは今何考えているんだろう、私といて気まずくないのかな)
   ちらっと隣を歩くいっくんを盗み見る(見上げる)。

一樹 「ん?どうした?」
    実里の視線に気づく。
実里 一樹の目が(見た目に反して)優しく穏やかに微笑んでいたから
    自分の不安が杞憂だったと気づく。

   「いっくん大きくなったね・・・。昔は私より小さかったのに」
   (今、成長したいっくんとこうして二人で歩いてるなんて、
    なんだかすごく不思議。信じられない)
一樹「だろ。
   みさとは背が高いやつの方が好き?」
実里「えっ」
  (これどういうつもりで聞いてるんだろ、あり得ないってわかってるのに変に意識しちゃうよ)
一瞬の逡巡の後、
実里「う、うん・・・?」
正解がわからず思わず疑問形で答えてしまう実里。
にもかかわらず、
一樹「・・・やった」
また目を細めて笑う。
実里(ど、どういう意味?)
予想外の一樹のリアクションに顔が赤くなるのを感じる。

少し歩いたところで一樹が突然言った。

一樹「な、手つなご」
ほら、と手を差し出す一樹。
実里「ん!?」
一樹「はぐれるから。・・・だめ?」
実里(そんな目、反則だよ、いっくん)
  「だめ、じゃない(ドキドキしながら手を差し出す)」
一樹 ふにゃっとした笑顔になる。
  「実里の手を取り)・・・いこーぜ」
実里(あれ?いっくんちょっと顔赤い・・・?)

いや、と思い直すみさと。

実里(いっくんにとっては、手をつなぐのはごく当たり前なスキンシップなんだ。
   ・・・きっとそうだ)
必死で自分に言い聞かせる。


~時間が経過する~


○帰宅後、実里の自室(夜)
お風呂上がり、髪を乾かしてベッドの上に寝そべる実里。

実里「はーーっ・・・。(大きなため息)
  今日、楽しかったな・・・(ひとりつぶやく)」
  (いっくん今も絵本が好きなの意外だった。
   ・・・というか意外すぎた)
  (昔はよくお気に入りの絵本持ち合って読み合ったりしてたもんね
   私がいっくんにあげた絵本今も持ってるって、うれしかった)

*回想(この日の出来事について)

その後実里がよく行く本屋に行き、近くのショッピングモールをふらふらと二人で歩いた。
いっくんと二人で歩いていることが不思議でたまらなかった。
しかし、時間が経つとだんだん隣に一樹がいることが
大きな安心感を覚えることにもだんだん気づき始めた実里。
一緒にいて落ち着くってこういうことか、とも。

*回想終わり

実里(それに、また会う約束ができた・・・
   
   いっくんとお祭りに行ける・・・)


*回想
○実里の家の近く、閑静な住宅街(夕方、日も落ち辺りは薄暗い)
放課後ふたりで出かけた、別れ際。
実里の家の近くまで送ってくれた一樹。
悪いからいいよと一度は断ったが、一樹はそれを聞こうとしなかったので
実里もしぶしぶ受け入れた。

実里「じゃあね・・・」
控えめに小さく手を振る。
一樹「ん」
両手を広げる一樹。
実里「なっ、なに?」
一樹「何って、バイバイのハグ」
実里「え、えっ・・・?」
実里がパニクっているのをよそに
一樹はぐいっと実里を抱き寄せる。

実里(いっくん、スキンシップが激しすぎるよ。
子どものころと同じ感覚なのかな・・・。
でも、今はお互い高校生だよ!?
こんなにハグばっかりされてたら、
心臓がいくつあっても足りないってば・・・)

そんな実里の内なる声もつゆ知らず
抱きしめたまま耳元でささやく一樹。

一樹「なぁ、また会える?
・・・てか、会いたい」

ぱっと腕をほどき、
「どこ行くか考えといて」
そう言ってニッと笑った。

季節は初夏。

その後帰宅し、思い切って
「夏祭りなんてどうかな?」と一樹にメッセージを送ったところ
「いいね、楽しみ」と速攻で返事が来たのだった。

*回想終わり

実里(それにしても・・・。いっくん相当遊んでるんだろうな・・・。だからあんな・・・)

帰り際にハグされたことを再び思い出し赤面する実里。

ピロン♪
スマホにメッセージが届く着信音。
『みさとちゃーん、その後彼とはどうなったのかな~?
何も話してくれないなんて、泣いちゃうよ~😢』
と友人の松岡めいから冗談めかしたメッセージが届いていた。

実里(・・・明日話すって言ってたのに忘れてた。
   ごめん、めい・・・)
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