環くんは、フォーク化現象に悩まされている

私なんかを構うとは思えないほど、見目麗しい美少年。

そんな彼が、登校してくる私のことを待っていたと言っている。


今彼の周りには、桜の花びらが舞い踊っているし。

現実とは思えないメルヘン感。


そっかそっか、これは夢なんだ。

歩きながら寝ちゃったのかな、私。

現実と夢がごちゃごちゃでよくわからないから、家に帰ってベッドに倒れこもう。

うん、それがいい。


ボケボケな脳に誘導され、クルっと180度の半回転。

を、してみたけれど。


彼に背を向けたことが、どうやら間違いだったらしい。

男のプライドを傷つける、危険行為だったのかな?


紫髪の男の子は、たくさんの生徒の目なんてお構いなし。

いきなり私を後ろからギュー。

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