【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜


 淡々とした口調で発動されていく魔法。鋭い光の矢がある幻獣の体を貫き、また別の幻獣は塵になって一瞬で消えた。それは、とてもブランクがあるとは思えない見事な戦いぶりで。ローブの裾が翻る様を眺めながら、オリアーナは思った。

(ああ……やっぱりレイモンドはすごいな。姉さん、すごく誇らしいよ)

 すっかり疲弊し弱体化した幻獣たちに向かって、レイモンドが唱える。


 《――不浄を清めよ。――浄化(エクソシズム)


 白い光が周囲を包み込むと同時に、敵は全て――殲滅された。静寂が辺りに広がる。

 レイモンドはよろめき、片膝を床に突いた。無理もない。ただでさえ体力が落ちているところにあれほど激しい戦闘をしたのだから。魔力の消耗もひどいはず。レイモンドはこちらを振り向いて、眼鏡の奥の目を細めた。
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