ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約

episode 1

「ねえ、なんか人間の匂いがしない？」


昼休み。教室に戻った私の耳に、こんな言葉が飛び込んできた。


声がする方向を見れば、私の席の近くで４～５人ぐらいの女子グループが集まってしゃべっている。


見慣れたいつもの楽しそうな光景。


でも、その子達の話の内容に、私は内心ものすごくはらはらしていた。


「あー、言われてみれば確かにそうかも」

「わかる！　もしかして、この学校に人間が紛れ込んでたりして」

「何言ってんの。そんなん絶対あり得ないって！」


まずいまずいまずい、どうしよう……。


このままだと、今の今まで隠し通してきた私の秘密が、キャッキャキャッキャとはしゃいでいるあの子達によってあばかれてしまう！