お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 口から零れる名は、こんなにも甘い。こんなにもオリヴィアの胸をかき乱す。だからこそ、ここでルークを突き放さなければ。

「迎えに来る。それまで、あいつに心を許さず待ってくれ」

「それは、約束できないわ。来てくれて嬉しかったけれど、もう二度とここには来ないで。あなたも危険だもの」

「……それは」

 オリヴィアの言葉に、ルークは渋い顔になった。

「約束してくれないのなら、ダミオンの出入りも禁止しなければならないわ。そうなったら、私は生活に困るでしょうね」

 そう続けたら、今度は顔をしかめた。ダミオンがいなければ今の生活が成り立たないというのは、彼もわかっているようだ。

「約束だからな、迎えに来るからな!」

 絶対だ、と言葉を重ねる。

 彼の言葉は、きっとこれからもオリヴィアの支えになってくれる。オリヴィアは、思い出として胸の奥に彼の言葉を刻み付けた。

 

 * * *

 

 マリカは両腕を組み、足を踏ん張ると声高に呼んだ。

「ダミオン・ウィナー!」

「はいっ!」

「どういうつもりなの? あの方をここに連れ込むなんて」

 ルークは先に引き上げていった。

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