お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 だから、どれだけルークの申し出に心惹かれようが、ここから出ていくわけにはいかないのだ。

「これは、あなたと私の関係だけじゃない。この国と、イリアーヌ王国の関係でもあるの。そして、あなたが私を連れて逃げれば帝国も巻き込むことになる」

 そう言葉を重ねると、ルークは黙ってオリヴィアを見つめた。それ以上、オリヴィアも言葉を持たない。

「なら、国の関係が変わればいいんだな」

「……え?」

 たしかに、国の関係が変われば、オリヴィアがここから出ていくことも可能になるかもしれない。グレゴールと離婚できるだけの状況を、きちんと整えることができたなら。

「力をつけて、迎えに来る」

 頬に触れるルークの手。その手に、オリヴィアの手が重なった。

(そんなこと、できるはずがないのに)

 いくらルーク個人に力があるとはいえ、伯爵家の三男だ。国と国との関係が変わるような影響力を持つまで、どれだけ努力が必要になることか。

 できないとわかっているのに、ルークの言葉が嬉しい。

 戦っているのは、オリヴィアだけではないと思えるから。

「ルーク」

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