お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 父と熱烈な恋に落ち、国王を口説き落として嫁いできたとかで、今でも夫婦仲は非常にいい。

 現在の国王には娘はいないし、兄妹はオリヴィアの母ひとりだけだ。

 また、三家ある公爵家も子供に恵まれていなかったり、まだ幼かったりで、現在年頃かつ王家の血を引いている独身の子供がいるのはウェーゼルク辺境伯家にしかいない。

 そのため、三人の兄とオリヴィア達兄妹は、王族に準じるものとして扱われてきた。王族に準じる立場である以上、結婚を勝手に決めることはできない。

「きっと、伯父様――国王陛下がいい方を見つけてくださると思うの」

 準王族として扱われているウェーゼルク家の兄妹のうち、女性はオリヴィアだけだ。それだけに、オリヴィアの婚姻については両親も国王夫妻も慎重だ。

「オリヴィア」

「……なによ?」

 オリヴィアの頬に、ルークの手が触れる。とたん、心臓が一気に跳ね上がったのを自覚して、そっと手を引いた。

(……自分の立場を忘れてはだめ)

 幼馴染であっても、オリヴィアの恋心がどれだけ強いものであっても。ルークと必要以上に親しくすることはできない。

< 12 / 306 >

この作品をシェア

pagetop