お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「それは、あなたの功績よ。あなたがいなかったら、栽培はできなかったもの。私はただ、場所と作業する人の手を提供しただけ」

 その場所が、問題なわけではあるが。

 オリヴィアが提供したのは、離宮から少し離れたところにある庭園の一画だった。

 広い庭園の中、忘れ去られた離宮、さらに忘れ去られた離宮からも離れた場所にあるというわけで、めったに人が来る場所ではない。

 グレゴールの訪れは、ケイトを伴った時が最初で最後。しょっちゅう顔を合わせたい相手でもないから、オリヴィアの方からは余計なことは言わないようにしている。

「オリヴィア様、しかし王宮内の庭園とは」

「いいの。グレゴールは気づかないわ。それに、書類はちゃんと整っているのだから問題はないもの」

 トリッドを始めとし、薬草の栽培に関わる者は、オリヴィアの暮らす離宮に部屋を与えた。

 トリッド達は、庭園を薬草園に改造し、毎日薬草の世話をし、収穫をし、使える状態にしてトリッドが暮らしていた診療所に運ぶ仕事を担っている。

「書類はどのようにして整えたのでしょう? その方に危険が及ばねばいいのですが」

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