お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「ありません。剣術の先生も、勉強の先生も来てくださいます。友達がいないのは寂しいし――あと、馬に乗れないのはつまらないですけど、たいした問題ではありません」

 真っ先に訪ねたオリヴィアに返すシェルトの表情に嘘はなさそうだった。

(……この子は、自分の置かれている立場をきちんと心得ているんだわ)

 生活には不自由していないと最初にきちんと述べる。次に、こちらが聞きたいであろう不満についても口にする。それに対する心構えも。

 グレゴールよりも、よほど相手に気を使っていると言えるだろう。まだ十二歳になったばかりだというのに、しっかりしている。

「王妃陛下は、たくさんの魔獣を退治したって本当ですか?」

「どこでそのことを?」

 ウェーゼルク辺境伯の者だと言えば、予想はつくかもしれないけれど、女性が最前線に立つというのは、他の国ではあまり見られないものらしい。

「母上が教えてくださいました。母上は、たくさんのことを知っているんです――王妃陛下は、なぜ、こちらにいらしたのですか?」

「……そうね」

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