お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 嘘は言っていない。魔獣討伐で死者が出るのはよくあることだ。

 それをグレゴールがどう解釈するかは、彼の受け止め方次第。

 ダンメルス侯爵なら、『これを隠れ蓑としてシェルトを暗殺する』とにおわせるぐらいのことはしてのけるはず。

「なるほど。たしかにそれがよさそうですね」

「シェルト殿下が行くとなれば、ケイトも行くかしら?」

「いえ……彼女は、王宮から外には出ないでしょうね」

「聖女が聞いて呆れるわ」

 聖女だと主張するのならば、聖女を必要としている人のところに行けばいいのに。

 けれど、ケイトは王宮で自由で贅沢な時間を過ごすことを選んだ。自分が持つ力を役立てることもせず。

「トリッドが栽培してくれた薬草を、薬に加工してあるの。それも一緒に持って行きましょう――私も『オリヴィア』として行きましょう。グレゴールにはいいように言ってちょうだい」

 このために、トリッドを引き抜いたのだ。

 オリヴィアの回復魔術の腕は、たいしたことはない。だが、薬の効能を何倍にも高めることのできる新たな薬を大量に用意している。

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