お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「シェルト殿下の護衛だけはしっかりして。防御魔術が得意な人を側に置いて、常に防御魔術を欠かさない様に。本当になにかあっては困るわ」

「心得てございます」

 グレゴールにそこまでの頭があるとは思えないけれど、もしかしたら彼自ら暗殺者を送り込んでくるかもしれない。そのためには、シェルトの護衛はしっかりしておかなければ。

「マリカ、今回はシェルト殿下の護衛をお願いできるかしら」

「――かしこまりました」

 返事をする前にマリカが一瞬戸惑ったのは、オリヴィアの側を離れるのを嫌がったからだろう。でも、今はそれ以上に大切なことがあると、マリカも知っている。

 戸惑いは見せたものの、不満を口にすることなく受け入れてくれた。

 

 * * *

 

 オリヴィアの言うことは正しい。マリカはそれをよくわかっている。

(たしかに、こちらの殿下の方が将来有望そうね)

 オリヴィアがシェルト達の暮らす離宮を訪れてから二年近く。その間、グレゴールはまったく成長しなかったが、シェルトのほうはすくすくと成長していた。

「僕の護衛をしてくれる人ですね。よろしくお願いします」

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