お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 丁寧な言葉遣い。頭を下げる様子も悪くないが、そこまで丁寧に接するのは、逆によろしくない。その点は一応指摘しておこう。オリヴィアもそれを望んで、マリカをシェルトにつけたのだから。

「マリカと申します。シェルト殿下の護衛を務めますが、私にそこまで丁寧にする必要はないんですよ」

「そうなんですか?」

「はい。必要以上に使用人に丁寧にするのは、殿下が甘いと他の者に思われてしまう原因となります。私のことは呼び捨てにしてください」

「わかりました――じゃないや。わかった、だね」

「はい、よろしいですよ」

 オリヴィアがマリカをシェルトの担当にしたのは、護衛としては、エリサではいまひとつ不安があるから。わかってはいるが、オリヴィアの側を離れるのは不安だ。

「マリカは、魔獣討伐したことある?」

「ございますよ。こーんな大きな、ブラックエレファントも退治したことがございます」

 はるか遠い国にいる象という動物に似ているらしい魔獣なのだが、馬車よりも大きな体躯を持ち、長い鼻であたりを殲滅(せんめつ)するとんでもない魔獣だ。

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