お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 実家にいた頃も、ブロイラード伯爵家以外の帝国貴族とは、顔を合わせる機会はほとんどなかった。ブロイラード領に討伐に赴いた際、同じように討伐に来ていた人達と会った程度だ。

「ええ、そのようです。今回は、魔獣討伐への協力の礼をしたい、と」

「ものは言いようね」

 魔獣が大発生したのは、ストラナ王国に原因がある。この国が帝国に協力したのではなく、帝国がこの国に協力してくれたのだ。

 礼を述べるために、皇太子自らこの国を訪れるなんてありえないのだ。

「で、本当の目的は?」

「さすがに、オリヴィア様の目はごまかせませんか」

「当然よ。わざわざ皇太子が来る必要が感じられないもの」

 この国と帝国の関係を考えれば、挨拶するといっても、腹心の部下あたりを送り込んでくるだけで十分。皇太子本人が、わざわざ足を運ぶ必要はない。

「いよいよその時が来た、ということです。帝国の皇太子は、十分な証人となってくださるでしょう」

「つまり、証拠の開示を皇太子の前で行うと?」

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