お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 グレゴールを追い払い、王座についたのはシェルト。五年前に殺しておけばよかった。

 情けをかけた結果がこれだ。

 魅力的に見えていたケイトも、グレゴールを捨てて神殿に赴くという。

 グレゴールには、なにも残っていない。残されていないのだ。

 ぐるぐると頭の中で回るのは、恨みの念。そして、後悔。もっとうまくやればよかった。オリヴィアを側に置いておけば、まだ王座に座っていることができただろうに。

 窓の外を見てみれば、ちょうどオリヴィアが乗っていると思われる馬車が出ていくのが遠目に見えた。

 もし、あの時。

 結婚を迎えたあの日に、きちんとオリヴィアと向き合っていたならば、グレゴールはまだ自由でいられたのではないだろうか。

 幾度目かもわからない航海のため息をつく――いや、後悔しているだけではだめなのだ。自分のものを取り返すためにはどうするのかを考えなければ。



 * * *

 

 ルークと向かい合って座る馬車の中。

どうにも居心地が悪いというか、くすぐったいと言うか。侍女達は気をきかせて別の馬車に乗り込んでしまい、ここにはふたりしかいないからなおさらだ。

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