お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 不満そうな顔をしている侍女達を宥める。彼女達の忠誠心はありがたいけれど、そんな形で忠誠心を試したくないし、 暗殺という手段でグレゴールを排除するのはよろしくない。それは、五年前も今も変わらないのだ。

「とにかく、グレゴールが見つかるまでは油断しない方がいい。どこで、どんな動きをするのか――まったくわからないからな」

「かしこまりました。私と妹は、厳重に警戒いたします」

 マリカもエリサも表情を改める。

 もうしばらく休暇を楽しむつもりだったけれど、どうやらそういうわけにもいかないらしい。グレゴールが見つかるまでの間は、いったん休暇はお預けすることになりそうだ。

 

 この国では婚約式を神殿で執り行い、そこから一年の婚約期間を設けるのが通例なのだそうだ。

 グレゴールの行方は知れないまま、着々と婚約式の準備は進んでいく。早く結婚したければ、早々に婚約式を執り行うしかないのだ。

「一年も婚約期間が必要なの?」

「長いと思うだろ? 俺達、もう五年も待っているのにな」

「……そうね」

 オリヴィアの結婚は『無効』であると、神殿も正式に認めてくれた。

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