お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 ルークが物騒な表情になる。だが、グレゴールはシェルトを離宮に閉じ込めるだけでよしとした。シェルトがグレゴールを処刑したならば、「自分は命だけは救ってもらったくせに異母兄は処刑するのか」と、民に悪い感情を抱かれてしまうだろう。

 シェルトも、ほとんど残っていない身内を厳罰に処する気にはなれなかったのだからしかたない。

「今からでも間に合いますが」

「見つけ次第殺るのは姉さんに任せるとして、情報収集なら私にお任せを」

 オリヴィアがルークと共にいるようになっても、五年もの間離宮で辛酸をなめさせられ――かなり自由気ままに出入りしていたとしても――ていたふたりの侍女のうっ憤は、まだ完全に晴らせていないようだ。久しぶりにふたりそろって凶悪な顔になる。

 帝国に来てからはそんな様子は見せなかったので、オリヴィアも油断してしまっていたのだけれど、久しぶりにマリカの「殺ってやろうか」という意思を感じた。

「ふたりとも、落ち着いてちょうだい」

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