お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 王妃の部屋ではなく、客室から、国王夫妻の部屋まで歩かせるのは、オリヴィアをまだ王妃とは認めたくないグレゴールの悪あがきなのだろう。

「ですが、ここから寝室まで歩けってあんまりですよ。なんで、王妃の部屋に移動じゃないんですか? 姉さんに頼んで殺ってもらっておきます?」

 エリサが自分で行動しないのは、自分の腕がマリカに劣ることを知っているからだ。マリカなら確実にグレゴールを暗殺するだろうが、この場合それでは解決にならない。

「今日のところはやめておきましょう。ストラナ王国の流儀なのかもしれないし。必要なら、こちらの風習に詳しい侍女をつけてもらいましょう」

 オリヴィアだって、話を聞いた時は泣いたものだ。

 ルークとの縁談が、進み始めた直後だったから、余計に強く、拒んでしまったのだろう。だが、ここまで来たのだ。

 グレゴールにも、そろそろ腹をくくってもらわなくてはならない。

「……まだ、いらしてないのね」

 寝室は、白一色で調えられていた。これは、今日が初夜だからなのだろうか。それともずっとそうなのだろうか。

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