お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 王位継承争いがあったとはいえ、この国は豊かだ。ベッドに腰かけて触れればわかる。最上級の素材が使われている。

(……今夜のところは、少しでも陛下の心をほぐすようにするのがいいかしら。それとも、まだ、距離をつめない方がいいかしら)

 婚儀と披露宴で顔を合わせたグレゴールは、オリヴィアに対して怒りを覚えているようだった。そんな彼に、どこまで近づくことができるだろう。

 けれど、オリヴィアには心を許しても大丈夫なのだと伝えたい。この国で、彼のために働くと決めて嫁いできたのだから。

 永遠とも思える長い時間が過ぎた頃、ようやくグレゴールがやってくる。

 隣の部屋から来た彼は、酔っているようだった。足はふらついているし、顔は真っ赤だ。

「……陛下、お待ちしておりました」

 慌てて立ち上がり、頭を垂れれば、ふんと鼻を鳴らされる。

「そんなに王妃になりたかったのか? あいにくだったな。俺は、お前を愛するつもりはない」

 口を開いたとたん、ずいぶんな挨拶である。表情に出さないようにしたつもりだったけれど、眉間の間にぐっと力が入ってしまった。

「不満か?」

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