くちづけ 〜You look good wearing my future〜
文化祭
あの最高の誕生日の翌週にあたる今日が、いよいよ文化祭だ。

私は、屋台でせっせとたこ焼きを焼き、倫也はそれをパックに詰めて売る。

うまく焼けないというクラスメイトの分まで働いて、なんて偉い私たちだろう。

やっとのことで、まともに焼けるクラスメイトとの交代になった。

「唯、お疲れ様」

「倫也もね」

厳密には高専祭と呼ぶのだが、高校の文化祭よりも自由で、大学の学園祭よりは地味、というイメージだろうか。

「そろそろ、軽音楽部の出番じゃない?」

倫也が言い、体育館へ向かった。

いくらバンドの後ろとはいえ、あのショートムービーが大スクリーンで流れるのは恥ずかしい。

だから、体育館の入口からそっと覗こう…ということにした。
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