くちづけ 〜You look good wearing my future〜
「え?最近は寒暖差が激しいから着替えようかと…あ!ごめん!つい、いつもの癖で…」

嗚呼、ビックリした…。

普段なら特に気にしなかっただろうけれど、これからキスの練習だというのに脱がれたら、ギョッとする。

「ごめんね…もしかして、怖がらせたかな?」

私を宥めるように、優しい瞳で顔を覗き込まれた。

怖くはない…否、厳密に言うと、恐怖という怖さではないものの、かなり焦ったのは間違いない。

恋愛の階段は飛ばさずに、ゆっくりと、一段ずつ上りたいものだ。

「HIJKなんて、私には絶対無理…!やっぱり恋はABCじゃないと…」

「唯、一人で何をブツブツ言ってるの?」

「えっ!?声に出てた?」
< 32 / 139 >

この作品をシェア

pagetop